営業トラックのカラーリングは一般的には明るい色使いで、ラインが入っているケ-スも多い。わが社のカラーリングはグレー一色で、暗いイメージである。
総合トラックの前進は、私の父の経営していた(現在は兄)梶哲商店にある。海軍出身の父は、軍艦のグレーが気に入っており、トラックもその色にした。何度か明るい色への変更を願いでたが全く受け入れられなかった。
軍隊の規律が好きな父は、ヘルメットもグレーにして着用にもこだわった。現場でヘルメットを着用しない数人の運転手といつヘルメットをかぶるのかを議論したことがある。トラックを降りる時か、地面に足を付く瞬間か、作業に取り掛かる時か。どれも曖昧になりかけた時期、父の独断で就業時間中(運転中も含め)ヘルメットをかぶる事を全員に義務つけ、その規則は20年間続いた。
ヘルメットをかぶった顔しか見た事がないので、職場以外で会って誰かわからないことも度々あった。その規則は、総合トラック時代になってから廃止された。
父が指定した色は、トラック購入時にいつもと同じ色でと言うだけで大雑把な管理だったが、先日横須賀で軍艦三笠を見た際現在の弊社のカラーと全く同じで、ある意味ホッとした。
(写真2: 軍艦三笠)
ブランド管理のしっかりしている企業は、物流の仕組みも取組み方も違う。
清涼飲料の自販機へ補充する仕事に携わる物流会社の方から聞いた話。
一般的に輸送途中に缶に凹みが出ると物損対象となり、物流会社が代金を補填する。そうすると運転手の心理で、ちょっとしたキズや凹みだったら判断が甘くなったり見過ごすこともある。
あるブランド力のある飲料メーカ-は、自販機への輸送途中の物損は一切責任は問わず、どんどん返品を受け付けるという。コインを入れ、出てきた飲料が完璧である仕組みが明確に差別化されている。
恥ずかしながら当社が一流ブランドのティッシュで水濡れを起こしたことがある。その時のメーカーの対応は敏速で、その選別作業に上席の方が現場で立ち会われ、湿気を帯びている可能性のある商品は全てコストをかけても自社で廃棄し、員数管理も厳密にされていた。ブランドへの熱い想いが伝わってきた。
日曜日を利用して、経営計画書の理解を主目的とした社内研修を行う。
3ヶ所の事業所に分かれているので今回始めて会う社員もいる。4グループに分かれ課題を議論し発表していく。小宮コンサルの平井さんに講師になっていただき、緊張感のある研修になった。
総合トラックの20年前からお取引のお客様から電話をいただき、小倉がお伺いして打合せさせていただく。その中で、弊社のホームページがメタル便にリンクされていることから、弊社がメタル便に関わっている事を知り驚いたと言う。
振り返ってみれば、メタル便サイドからは総合トラックのことは余り触れていないのでその関係は理解はされてないと思う。メタル便の機能を絡めてお話に展開していったようだ。
赤倉温泉で行われた、田中久夫先生の勉強会に参加する。
田中先生は、50歳(しかも物流には全くの素人で)過ぎてから倒産寸前の名糖運輸の社長を引き受け、見事再建され一部上場にまでにした方だ。現在も86歳の年齢で、経営コンサルタントとしてご活躍され、十数社の会社も定期的にご指導されている。
理屈ではない社長としての想いを多く語られていた。
(写真: 昨年出版された著書)
知人から聞いた話。
「○○書房は本屋ではなく書店を目指し店舗展開している。地域性を分析し、教材か娯楽かビジネス書か、何が売れるか徹底した事前調査の上で出店している」と言う。
業界は異なるが、常日頃同じことを私も言っている。「運送屋ではなく、運送会社になりたい。」その意図するところは、個人に頼るのではなく、会社としてチームとして取組んでいきたいとの想いで。
ところが知人の話を聞きながら「本屋がなぜ悪い」と疑問をもった。本屋には売る人と買う人の交流が存在し、温かみを感じる。書店は科学的で緻密な経営がなされるかも知れないが、使用者にとってそれが全てではない気がする。
我々に運送の仕事を出していただいているお客様も「運送屋がなぜ悪い」と同様な意見を持たれているかもしれない。
学生から社会人になって父親の経営する鋼材販売の会社に入社した時、現場で働く人がとにかくカッコ良く見えた。汚れた作業着、油だらけの手、汗、一日の仕事を終えた後の充実した顔・・・。その時感じた「職業、職種に貴賎はあるが、上下はない」、30年経った今もこれは私の変わらぬ人生観かもしれない。弱い者に付入る商売や、人の汗を流したを踏みにじるような商売は、私は賎しいと思う。でも多くの仕事は貴いもの。物流業界は必ず現場があり、多くの働く人が体を動かし、汗を流し、睡眠と戦い、時間と戦っている。総合トラックのホームページのTOPの左写真隅をクリックすると動き出す動画に、そんな働く人の姿を少しでも表現したかった。
妙高高原で一泊二日の田中ゼミ、10社20名の参加。名糖運輸を上場された後、全国一倉社長会の会長も長年務められる。田中先生のアドバイス一言一言に、先生の魂や今までの生き様を感じる。
質問形式で勉強会がおこなわれる。
「経営とはおかしなもの。社員と社長の心が一つになれば業績は伸びる」
「給料は職に応じて支払われ、能力を出した人に報いるものでなくてはならない。年齢や学齢ではない。」
「お客様に愛されれば事業は伸びる」
88歳を向かえられても、全国に経営指導の多忙な日々。知合いの会社だけも3社見事に再生させている。
「会社はこれから何で生きていくの?」「会社で一番優秀な人は誰?」
こんなシンプルな質問から経営指導が始まる。
定家君に依頼し、待ちに待った総合トラックのホームページの動画がついに完成し一般公開に先駆け見る。働く人の姿を適確にとらえた感性良し、アングル良し、スピード感良し。作業するスタッフの真剣な視線が印象的だ。ホームページへのアップは明日には出来そうだ。