右の写真は台車持ち込み禁止のビルに、数十ケースの重たい書類を階段を上り下りしてやっと仕事が終えた瞬間、このゆがんだ顔には満足感がある。わが社は平ボディ車が多いので他の物流会社より手積み手降しが少ない。上手に表現できないが、でも積み手降しを断る会社にはしたくなと思っている。
物流会社の特徴は体を使うことが商品であること。
25年位前に、4t車の飲料水のカートン物をパレットに積み替えたことがある。二人作業だがキツイ仕事だった。夏場であったが一人ならバテていたかもしれない。当時は週二回はスポーツジムにも通い体力は有る方だと自負していたが・・・。今でも置き場で気が向いた時(失礼な表現になるが私が加勢すると足手まといになるので)20フィートや40フィートのデバンをするが、段取りを考えながらチームワークを生かして複数名でやる作業は心地よい。でも仕事が10t車一台分(例えば20kgの商品と600ケース)を一人で積み込み、配達先でも同様な作業をするとなると人間技とは思えない。
近年、物流センターが大型化してプラットホーム付けが増えている。ホーム付けは後部からしか降ろせないので、ウイングを上げて横から積降するより、トラックの前方の荷物を荷台の9m先まで運ぶ作業量はかなり運転手に重くのしかかる。倉庫の合理化は運転手の負担になるケースである。運転手不足が深刻化している現在、プラットホーム付けがベストだとは思えないのだが。
私は大手町を闊歩するビジネスマンも憧れるが、ハードな肉体労働を毎日こなすことのできる運転手も尊敬している。大学一年の時、体育会の陸上部に未経験で入部した。グラウンド一周400mをハイスピードで20セットこなす先輩に驚愕した。夏に山中湖でラグビー部と同じ合宿所に寝泊りした時、彼らの連日のハードな練習には度肝抜かれた。成績優秀で卒業する友人も、成績はギリギリだが4年間運動で汗を流し続けた友人にも敬意を表した。私には出来ない仕事量を平然とこなす運転手に対して、学生の時と同じ憧憬を抱く。