新浦安駅から徒歩20分、マンション群の真ん中に位置していたイトーヨーカドーが業績不振で5月に閉店した。閉店して1週間経過したが、徒歩圏内のスーパーが無くなり、自分達を買物難民と嘆いている。
10年位前にセブンアイの元役員から少数でお話を聞く機会があった。戦後の商店街と百貨店しか存在しなかった時代から65年間の流通業界の栄枯盛衰を、データーをもとに説明してくれた。話の中で特に印象に残ったのは、この時点で既に家電量販店とスーパーが衰退業態として分類されていたことだ。セブンアイグループにはコンビニとスーパーの二つの業態があり、高収益で成長段階にあるコンビニが脚光と浴び、低成長のスーパーには力が入らなくなる。経営陣のこの割り切りが、イトーヨーカ堂を魅力ないものにしてしまったと思ている。現に私自身がイトーヨーカ堂にいってもワクワクはない。
400円以下の職場の弁当は空腹を満たす物であって美味しさを期待すべきではないとの意見を聞いたことがある。これをスーパーの置き換えると、生きていく為の食材や衣類や雑貨を提供する場ということになる。でもヤオコーの様に増収増益を続けているスーパーもある。私もたまに足を運ぶが、陳列さてている商品を見ているだけで楽しくなってくる。
物流業も似ている気がする。成長がない業界と思った時点で、工夫や努力をしなくなる。知り合いでどんどん業績を伸ばしている運送会社をいくつも知っているが、彼らに共通していることは比較的若い経営者で今がチャンスと思って行動して、仕事を楽しんでいる。楽しんで仕事をしている姿は荷主にも感じとってもらえていると思う。