ある知人が話していた。「我が家に強姦や強盗が押し入ってきたらどうする。」と
「我が家は平和主義なので、喧嘩もしません、武器も持ちません、暴力も反対です。だからお引取り下さい。」と説明して賊がおとなしく帰ってくれるか。そんなことを言っている内に、家族が傷つけられ金品も奪われる。警備が強固な家や 武術の達人の家や、凶暴な番犬を飼っている家は、強姦も危険だから浸入してこない。
隣人に強靭な空手の達人がいて、危険な場面には助けて欲しいと普段から頼んでいたとする。でも、隣人が空手の練習にいくために車を貸して欲しいと言って来た時、空手は野蛮だから車を貸さないと断ったら、いざとなったら本当に助けてくれるのだろうか。
企業活動も同じで、闘っても、社員やその家族を守らなければいけない時があるかもしれない。
ある大手自動車メーカーでは、毎年3%づつ物流費を下げることが義務付けられていると聞く。初年度が100なら、2年目は97、3目は94、そして91、89、85と毎年請求額が下がっていく。その値下げの原資は、合理化で解決して欲しいという。
現状で自動車部品を輸送している運送会社には3%の経常利益は出ているのだろうか。仮に出ていたとしても、翌年か翌々年には赤字転落になってしまう。
私は、自動車メーカーは愚かだと思う。特別のことがない限り今の運賃で頑張ってもらって、もし合理化で利益があがったら、社員の給料を上げてやってくれと言った方が、働く人はやる気がでるし、手取りが増えた分が新車の販売に繋がっていく。br />
毎年3%の削減は循環し継続はできない。渓流下りでその数キロ先に生死を分ける絶壁の滝の存在を知って、必死になってカヌーをこぐ人はいない。その先に楽園があるなら、いまの労働も決して苦にならない。人は幸せについてくる。