2005年を振返って感じることは、インターネットから検索してこられ声をかけていただくお客様が増えた、ということだ。
一般消費者ではなく企業がお客様の対象になるので、母数は少ないはずなのに。
今年、運送会社が6万社を超えたとの発表もあったが、我が社に声をかけていただくのは6万分の1の確率だ。
検索キーワードは何なのか分析もしてないが、インターネットの便利な部分が理解され、現象化してきたのだろう。
総合トラックのホームページ運営の一番の目的は、何かのご縁で検索してこられた方に、なるべく会社の「体温」を感じてもらえることと、心がけている。
総合トラックの年賀状は写真入りにしている。
写真入り年賀状にしようとすると、トラックや社屋の写真もありふれており、見る方も面白いものでもない。使えるコンテンツは意外と少ない。2001年からはアーチストWATARU(小池渉)氏のその年の作品より選び、使用させてもらっている。私の独断で選んでいるが、個性的な年賀状に私のセンスを問うような社内の声も、今のところ聞こえてこない。
現在WATARU氏はアーティストだが、約20年近くは家業の食品メーカーで新商品の販売企画を担当し、マーケティングの第一線で多くの実績を残してきた。
中小企業には戦略を考えるスタッフやその道のプロがいないといわれているが、WATARU氏は年賀状のデザインのみならず、多岐に渡りアドバイスをもらっている有り難いブレーンなのだ。
今年の作品は、彼の活動拠点の一つであるバルセロナで作ったオブジェ。緑の背景が動いている感じに2006年の躍動やスピード感を表現したかった。
(写真: ミロやピカソも使ったアルティガス氏の窯で焼かれた作品、置いてある庭はガウディがグエル公園を作る期間制作の拠点にした建物の庭。ここがWATARU氏のスペインでの作品制作の拠点となっている。)
製紙のためのエネルギーは化石資源(石油・石炭)ではなく、バイオマスエネルギー(製紙会社がパルプを作る際に木材チップから回収される黒液)が使われる。
バイオマスは化石燃料とは異なり、樹木と光と水によって再生可能であるため環境への負荷軽減に役立つ。また製紙メーカーには別の顔があり、紙製品だけではなく電気を作る工場となる。工場で生産された電力はかなりの量を売電することが可能で、地域の貴重なエネルギー源となっている。
物流業界はただただ環境に悪影響を与える産業だけに、話を聞いていて羨ましくなった。
北越物流様のご好意で、北越製紙市川工場生産ラインを見学させてもらう。
その中で環境への取り組みについて多くの時間を割いてもらう。製紙事業が今までの私の認識とは全く異なることを痛感する。
製紙事業には2つの工場がある。一つは植林でパルプの原料となる森作り、いわゆる自然の工場で、もう一つはパルプと古紙を混ぜて紙を作る工場だ。二つの工場を足すと、二酸化炭素排出レベルでは、ほぼ+-ゼロ。
日本の古紙の回収率はここ数年でトップのドイツに迫り70%、その内10%は輸出され、残り60%は国内でまた紙に再生される。
古紙→紙の循環は3~4回が可能で、それ以降は繊維質が細り紙にならない。だから25~30%はパルプを混ぜていかないと循環していかない。
紙の消費が毎年一定であると仮定すると、今の回収率で完全に循環できることになる。
ただ、世界レベルの平均ではまだそこまでは達していない。今後の古紙回収過程の改善すべき課題は、より細かく正確な古紙分別かもしれない。
成分の一定した古紙は、製紙工程において使い勝手が良く、その意味では新聞古紙は貴重な原料となる。また古紙に混入した場合とっても困るものとして、①アイロンプリントのインク(インクが抜き取り難く製品の表面に浮き上がってくる) ②カーボン紙(インクが同様に製品に着色するため) ③トレーシング紙(ガラスの繊維質であるため)。
本社にて第18回環境整備研修会をおこなう。
通常は一日かけトイレ掃除を中心に研修がおこなわれるが、今回は変則バージョン。午前中は2班に分かれ落ち葉の舞い散る会社の周りを清掃、午後より「お客様の目になって直すべきところ」「会社の無駄な部分」をテーマに各自シートに記入し発表、そして限られた時間内で問題箇所の改善を手がける。
本社の現場が無いので、安全と言うより無駄がテーマとなる。
全員が一斉にデスク周りの書類を片付け始めた時は、普段の事務所とは景色が異なり、何だか迫力がある。
帰りの時には、綺麗にした路上も落ち葉がしっかり溜まっていた。
ウォールマートは、戦略的にナショナル・ブランドと地域ナンバー1ブランドとプライベートブランドに3種類に絞り込んだ品揃えであるという話を小池さんより聞く。
スーパーで扱う醤油で例えると、名の通ったキッコ-マン、こだわり樽仕込みの○○醤油、そして価格で勝負するスーパー自社ブランドの醤油。好みや予算もまちまちな顧客の要望に幅広く対応させる為に。
でも3つのそれぞれのカテゴリー内は一社に絞込み、3社の商品しか販売しない賢い方法だ。
運送も同じかもしれない。
世界や国内ナンバーワンの物流会社、地域密着型の物流会社、そしてお客様自身でおこなう輸送部門。
情報化の中こんな図式に向かって、物流業界はより厳しい選別を受けていくことは間違いない。
我々の向かうべきは、その扱い商品にあって地域ナンバー1ブランドになるしかない。
その為には今何をすべきか、色々と考えさせる。