この一年、講演をさせてもらう事が何度かあった。
最初は浦安鉄鋼団地の会館で2024年問題をテーマにお客様を招いて、物流2024年問題について正しい理解をもって欲しかったから。その後は講演を聞いた方からの紹介が続いた。国土交通省の依頼で仙台、三井住友海上の推薦で仙台の銀行で、これを聞いた秋田の銀行からと。最近ちょっと有頂天になっているとも思うが、人前で話すことで事前準備が必要で良い勉強になる。発信すると情報も集まってくる。
3流の講演者でも、立ち位置は明確にしている。マクロ情報の分析、運送仲間や荷主からのミクロ情報、運送会社の経営者、これが私の3本柱。そして経済活動は幸せになる為、明るい未来の為との見解を毎回言葉を変えて伝えている。
いつの取材だったわからないが
友人から 「日経MJに掲載されている」と連絡が入った。
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(物流インサイドリポート) 毅然と交渉、混載便の雄
「メタル便」は重量物や長尺モノなど既存の路線便(特積み)や大手運送会社が苦手とする異形貨物を対象にした混載輸送サービスだ。各地の地場運送会社9社が手を組み、荷台に屋根のない平ボディー車による全国ネットワークを構築して共同で運営している。当初は鉄鋼業者向けに2000年にスタートしたが、現在は取り扱いの約3割を食料品や雑貨などの一般貨物が占めている。
現場に到着しても荷待ち時間が30分を超えるようならトラックを引き上げさせる。荷下ろしはバースに接車後30分以内に済ませてもらうなど、従来の企業間輸送の商慣習に逆らう取引条件を設けている。
メタル便の車両は対象エリアを1日7~8カ所集配して回る。長時間待機や個別の荷主の都合に付き合っていたら、それ以降の運行 に支障を来してしまう。納品時間の指定も受けつけていない。
それでも売り上げは年率5%以上のペースで増え続けている。とりわけ2024年問題が本番を迎えた今年は「リーマン・ショック以来のチャンス」とメタル便グループの代表を務める総合トラックの梶大吉社長は期待する。実際、全国規模の大手荷主から物流体制の見直しについての相談が次々に舞い込んでいる。
2024年問題の荷主向けセミナーに梶社長が講師として招かれる機会も増えている。荷主には、即時に運賃を5%値上げして協力会社と年間契約を結ぶことを勧めている。既存ドライバーの定年延長による人手不足対策は既に限界を超えた。これから運送業の廃業や倒産が本格化する。しかし「中小零細はギリギリまで知らせてこない。1カ月前に通知があればまだいいほう」と梶社長。
協力会社の突然の撤退に慌てないためにまずは年間契約で当面の安定輸送を確保する。その間に荷主が自らトラックを購入して〝白ナンバー〟を取得する。定常的に発生する物流は内製化して、そこからあふれた波動分をメタル便をはじめとする混載サービスに回す。それが荷主にとって最も安全かつ得策との考えだ。
(月刊ロジスティクス・ビジネス編集発行人 大矢昌浩)
2023年の運転手の残業を一覧にして、残業時間の80時間超えは一人もいなかった。むしろ平均残業が40時間ちょっとしなく、運送業界のメリットとして80時間まで残業が認められているので副業を許可制で認めることにした。物流2024年問題で1か月の残業を80時間以内に収めることが大変な物流業界にあって、突出して残業が少ない我が社である。
総合トラックは土日の完全週休2日制+祝日で、夜の仕事もない。
奥様にとっては、土日家でぶらぶらしているより、アルバイトで働いて欲しい思う。特に若い世帯にとっては家計の出費も多いので、ちょっとしたバイトでも助かる。1日の労働制限で月~金は無理だが。
私の最初に勤めた父親の会社では、鉄鋼業だがドライバーが15~20名在籍していた。昭和の高度成長に時代は、皆よく働いていた。ドライバーのHさんは突出してある年の年間の休日が3日だけだった。362日働いて残業も沢山していた。いつもお財布には現金が一杯詰まっており、通勤はクラウンに乗っていた。退社時には都内に一戸建てを持ち相当の貯金もあった。昭和の男である。休日が多いことが、必ず幸せとの思っていない自分が何処かにある。
4月の社員総会で育児休暇について「積極的に取得して欲しい」と社長として発言した。「少子高齢化が国難とも言われている日本で、一企業の経営理念より会社の収益より、一企業としての少子化対策は最優先されるべき事項だと。」と言葉を添えた。
ある会社で女性の育児休暇について否定的な発言を聞いたことがある。
女子社員が育休で休んでいる時、男性社員が「一人産むということは、二人目の育休もあり得る。せっかく仕事を覚えてくれたのに頼りにならない」と嘆いていた。バカな発言をするなと内心思っていたが反論はしなかった。自分が幼児の時、家庭や社会の協力があって育てられてきたのに。
今年の5月に男性ドライバーの育休の申請があった。問題は社内で冷ややかに見ることは絶対禁物だ。3世帯が同居する昭和初期なら、おじいちゃんやおばあちゃんが育児を手伝ってくれたが、令和で3世代同居は稀。夫婦で協力して育てるしたかないのだ。総合トラックの主業務は混載輸送でチーム戦で仕事を消化していく稀な仕組みがある。25名のドライバーで1~2名欠勤になっても皆でカバーが十分にできる仕組みがある。だからそのメリットを社員には最大限享受して欲しい。
7年?8年?。永年事業所の居ついたどら猫君。名前はなくそれぞれが好きな名前で呼んでいる。何度か新入社員から乗用車に上がり傷をつけるとクレームが入ったが、言ってきた社員より猫の方が先住なのでクレームは無視した。
土日や祝日でも気持ちの優しい社員が会社に来て餌や水の面倒をみてくれている。年明けから急に体が細った気がする。私は猫に関心を持つタイプではないのでいつも一定の距離を保っているが、1月4日に私だけ出社した時は珍しくまとわりきた。私の周りを何度か周り、餌の容器のある場所まで私を誘導した。餌場に行くと、空っぽの容器の前で横になって倒れるポーズ、餌がないことのアピールだった。慌てて餌を購入した。
その猫君がいなくなって一か月経過した。猫がいなくなる2週間位前に「可愛い猫なので貰って良いか」と言ってきた人がいたそうだ。野良君なのでダメという権利もなく、その時は結構ですと答えてそうだ。でも「引き取ます」という挨拶もいただく事なくいなくなった。映画の柴又の寅さんに毎回でてくるシーンがある。家族の一人が「いま寅さんは何処に居るかな」と、映画ではそのタイミングで団子やの前を寅さんが恥ずかしそうに通るのだが。
置き場に持込れた灯油ストーブ。運転手のS君が私物のストーブとポリタンを職場に持ってきてくれた。朝5時からの積込みも1月になり急に冷込み、手袋をしても指先がジンジンと痛くなる。屋外で暖房は無理と割り切っていたが、実際に灯油ストーブに手をかざすをやっぱり温かい。缶コーヒをストーブの上に置く人も。作業の合間に数名がストーブの周りに集まり、井戸端会議、いい景色だ。
S君は40年以上勤続する運転手で、無口だが黙って有り難い事をしてくれる。
有難うね、温かいよ。
12月22日のテレビ東京のワールドビジネスサテライトの全国放送に。
物流2024年問題のコメントを求められ古賀常務が物流業の現状を説明する。
私も映りたかったが終日外出しており残念。21日の夕方に取材要請があり、22日の日中取材そして23時に放映。8分間の特集の中4分位は弊社の映像が流れる。3名のインタビュ。悪いことでニュースに出るのは簡単だが、普通なことでニュースにでるのは結構難しいかも。6万社に選ばれた1社に。常務は総合トラックやメタル便のことを2024年問題に絡めてインタビューに答えたそうだがそこは見事に編集でカットされていた。さすがだね。
法律で定められた健康診断、35歳を境に法定の検査内容が異なる。運転手から「35歳以下の検査項目がショボすぎ」と聞いたのをきっかけに35歳以下でも35歳以上の検査をすることにした。
年齢を重ねると血圧やコレステロールや体脂肪もだんだん悪くなる中、検査判定もABからぽつぽつをCDEが登場し始める。DやEが出ても病気が確定している訳でなくマンネリ化してきて個人が勝手に問題ないと決めつける。ここに危険が潜んでいる。
高血圧が原因で、運転中に脳梗塞を発症したドライバーがいる。この時、会社に管理責任もあると痛感した。これを切っ掛けに現在、健康診断のE判定は総務が再検査の実施を厳しく追及する。仕事より優先で有給で病院の再検査を促がし、検査費用の上限15000円まで会社負担としている。このルールを採用してから4年経過したが、大腸のポリープの早期治療につながり奥さんから喜ばれたり、いくつも早期発見につながる事例がある。今年も全社員の中で2割の社員のE判定があった。日々の変わりない生活の中、怖い事や嫌な事から逃げる性質がある。バンジージャンプじゃないけど、背中を押す人は絶対に必要だ。そういう私も健康診断の時期になると家内から結果がまだ出ないかと毎年せかされ、通知簿を隠す小学生の心境になる時期だ。
事業所で発生する空き缶やペットボトルは、有料で資源ごみとして分別し浦安市に回収してもらう。ペットボトルと空き缶を潰すのは社長の私の仕事。この数週間ペットボトル回収ボックスの方に紙コップが数個混在している。夏の時期は冷たい麦茶を夕方用意して、帰社した運転手に紙コップを飲んでもらっているが、その紙コップだ。燃えるゴミボックスもあるが、ペットボトルの方が投かん型なので容易な為そこに入れている様だ。確定はできないが最近入社した運転手の中の一人だと想像される。投かん部分に「紙コップ入れないで」とメモを張り付けた。
多くの社員がいても事業所にはタバコ吸い殻の投げ捨ては一切ない。過去に同じメーカー吸い殻が度々見かけることも有ったが、いつの間に吸い殻の投げ捨ては無くなっている。細かいことだが、これが我が社の社風の良い部分だと思う。紙コップを無神経にペットボトル・ボックスに入れる人は、外では車内のごみを路上に捨てる可能性もある。一事が万事だと思うから。