経営計画発表会を実施して15年位経過した。
昨年はさすがにリーマンショック直後で先も見えなかったので中止した。
発表会は私のワンマンショー、最初の5年間は2時間位自分の仕事に対する想いをひたすら話し続けた。徐々に時間は短くしてきたが幹部社員から「聞く方の集中が持続しないので、せいぜい45分にしてくれ」と泣き付かれた。
それならやってやろうと、30分を目標に今年は話した。絶対に伝えたい事にはジェスチャーをつけ、聞く方にも実践してもらった。
そして絶対に飽きさせない仕組みとして、感想の用紙を事前に配り記入を義務付けた。
聞いてもらう為の感想文が意図だったが、でも予想外に素晴らしい内容の数々にうなってしまった。
以下は○石君の感想文(ベテラン 普段は無口で話かけても「ウー」とか「オー」としか言わない彼だが・・・・)
1)感想
売り上げを伸ば事は運転手である私自身にとても重要であり、スキルに関わることであると考える。
売り上げを伸ばす為には、私達運転手側がお客様に不快な印象を与えぬ様配慮し、確実な信頼関係を築いていく事であると考える。
運転手は会社の顔であり、お客様との接点も多い。「この会社にまかせて安心だ」と思える様な私達の配送、心配りが必要なのではないかと感じた。
2)2010年仕事でやってみようと思う事
上記の様な考えで仕事を実践し、お客様第一仕事を行う事をする。
知り合いの経営者より、姻戚が運送業に携わって、その会社の先行きについて電話で相談を受けた。
・30歳前で頑張り屋。数名雇用し、営業ナンバーの2t車を数台動かしている。
・朝6時~夜8時まで運転し、帰宅後は帳簿付け。
・結婚しており、間もなく子供が生まれると言う。
・かつては特定荷主があったが、その仕事が不安定になってきている。
・1台当りの売上は、50万円位だとのこと。
ここまでの状況説明を受けて、梶君の意見はと聞かれた。
志のある青年が、運送業界で生計を立てていこうと頑張っている。
本来なら、明るい未来を確信して「頑張って欲しい」とエールを送るべきところ、私の意見は逆だった。
・運送業を経営して、今後この規模で一家の生計を立てて行くのは難しい。
・隣のコンビニが酒を扱うようになった商店規模の酒屋に等しく、中小の運送会社にとって営業ナンバーの価値はない、参入障壁が低すぎる。
・この規模で1台当りの売上げが50万円だとすると、実質経営者の手取りは25万円前後では。
・車両事故や売上減少のリスクを考えると、自営の意味があるのか? 運転が好きなら、大手運送会社に転職するのも検討したらどうか。
こんな意見を知ったかぶりして伝えたが、私自身、業界人として誠に情けない解答である。