大雪の翌々日、川島法律事務所に車両事故の処理の相談にいく。一ヵ月半前に反対車線から飛び出してきた乗用車と接触、事故直後に相手の運転者が逃亡、一ヵ月近い警察の調査の結果犯人を捕らえた。なんと覚せい剤を使用、今は警察署に拘留されている。その賠償方法についてだ。
相談を終え、川島先生からこんな話が出た。大雪翌日、アポイントがあり自宅を早朝に出た。出社しても自宅前の道路の雪かきが気になって、昼までに仕事を切り上げ、自宅にもどったが既に自宅前の雪は綺麗に取り去られていた。近所の誰が雪かきをしたか判らないので、お礼を伝えることもできず非常に困ったと言われていた。先生の雪かきの姿はイメージできないだけに印象的だった。
常識人の話で、話を聞いて心が温かくなった。川島先生には困った局面で過去に何度何度も相談し毎回適切は判断をもらってきた。先生の示す解決策には法律以前に先生の社会常識や正義感が感じられる。事務所を出た後、総合トラックも当たり前のことを当たり前にできる会社になりたいと強く思った。
会社の雪の日の当日はというと、電車と歩くこと40分かけて朝6時前に出社すると我が目を疑う景色が飛び込んできた。普段より早く出社したドライバー数名の手により雪かきを全て終えており、コンクリート面が湿った状態で輝いていた。その一人は協力会社のドライバーで、前日自宅に帰らず車内で寝泊まりし早朝から一生懸命雪かきをしてくれていた。
正月に再放送されたNHK BS1スペシャル「爆走風塵(じん)中国・激変するトラック業界」は見ごたえあった。3000万人いると言う中国のトラックドライバー、長距離輸送に従事する3組のドライバーを追跡取材したもの。増え続ける中国国内の物流に対応するため、規制が緩和され、すべての車種での個人経営が可能なった。一攫千金を夢見て多くの人が車両を個人の借金で購入し物流業に参入。その後に起きた現象が供給過多による運賃の下落、加えて燃料高騰と高速料金負担。増え続ける車両事故と輸送トラブル。借金で車両と購入したから、赤字でも仕事を取るしかない。仕事は荷主→仲介ブローカー→ドライバーの流れで成約され、仕事完了時に運賃が直接運転手に手渡される。その商談が自由にできる様に巨大なトラックヤードがあり、展示会を想像させるほど巨大な商談スペースが用意されている。写真の収支ケースは、ギャラより燃料代と高速料金を上回り、人件費は全くでてきない。それでも次の運行に賭ける。この現象の背景には明らかに国策があり、物流が滞ることはないシステムだ。
日本で軽トラックだけに認められている物流の個人経営。物流2法以降その流れが2t車や4t車の広がるとの噂はあったが、この中国の状況をみると日本でのこれ以上の個人経営化は無いと確信した。でもうらやましく思ったのは巨大なトラックヤードである。ドライバーが安心して休憩できるスペースであり、市場も併設されて衣食住には困らない。日本では大きなトラックを止める施設が少ない、よく見かける現象だが道路の左車線を駐車場にしている。トイレはどうするのだろうと心配してしまう。(写真は全てNHKのサイトより出典)
この番組はネットで今でも動画でみることができる。
まだ着れるか洗濯するか迷っていると、母が「洗濯機が洗うから洗濯カゴに入れさい」と声をかけてくれた。調子にのった私はちょっと汗をかくと、洗ってもらうのかいつの間にか習慣になっていた。
そんな経験もあり、会社で使用済みの雑巾はすすぐことなく洗いカゴに入れてもらうことにしている。洗濯機を回すのは私の役割。
新しいタオルは流し回り⇒車内ぶき⇒車外用⇒ウエスの経過をたどり廃棄されていく。
困るのは、オイルや軽油をふき取った雑巾を洗い物入れに混在すると、洗濯してもすべての雑巾が油っぽくなって廃棄することになる。
このタオル⇒雑巾⇒ウエス のサイクルで、いつも不足ぎみになるのは車外用の雑巾。そんな時嬉しいは、誰かが家庭で使ったタオルを洗濯して会社に黙って置いてくれていることだ。