我が社に在籍する運転手の自慢話を私にさせたら「A君はああ見えても実は・・・。B君は本当にすごいんだから・・・。」話が止まらない。総合トラックはドライバー教育は一切と言って良いほど何もしてない。混載サービスが主体なので集荷と配達のトラックは異なり、置き場での積替え作業が必ずあり、チャーター主業務とする物流会社とは仕事環境が全く異なる。毎日のドライバーのチームワークが、退社時間に影響するので一丸とならざる得ない仕組みがある。社長の私が個別に注意することもない。お願い事も的確に指示さえ出せばきっちり実行してくれる。どちらかと言うと、自分が自分がと言うタイプは少なく、お人よしタイプが多い気がする。
それでも年に一度か二度位は、私自身が切れてドライバーに直接注意することがある。それがつい最近2つあった。一つは退社届を出した運転手が会社への不満を訴えた時(今後の参考にもなるので大人しく聞いていたが)、上司の名前を呼び捨てた瞬間、私は切れてしまった。「我が社は管理職でもドライバーに対しては敬語で話す会社だ。上司の名前を呼び捨てで話す様なレベルの低い会社ではない。即刻言い直して欲しい」と。もう一つは車庫に戻ってきた車両に派手な飾りつけがしてあった。これにも切れてしまった。「冗談でもこの飾りつけはダメだ。全ての車両の品位を落とす行為だ。すぐはずしてくれ。」と。運送会社の社長になって30年位経ったが、絶対に譲歩しないのが、車両への飾り付けである。どんな些細な飾りつけも、シール一枚も見逃さない。その日に問答無用で撤去してもらってきた。
「社長、除菌シート追加でもらえますか?」
「社長、来客用のお茶のペットボトル買っておいて下さい。」
「社長、封筒を事務所の中に運んで下さい。」
「社長、危険物のシーツ何処にありますか。」
「社長以外は、運んでくれる人いないんだよな」
今日の朝6時~9時までの二時間で聞かれたこと、頼まれたこと。
この2ヵ月で現場の環境整備を私が独断で行ったので、物の置き場が変わっていることもあるが、それにしても雑用が多い。まるで小学校の用務員のおじさん、あの人に聞けば何でも知っているし、何でもやってくれると言ったこと。家庭での家内からの頼まれ事は一つ一つの抵抗があるが、会社での頼まれ事は嫌いでなく体を動かすことも大好き。
これらの用事は誰でもできることで、社長にしかできない事では無いのがちょっと残念。一方でお客様との折衝、新サービス開発、会社の方向付け等、幹部社員が進んでやってくれるのでとっても有難い。