一ヵ月位前に古賀常務より、受注表→配車表作成→運行指示書の毎日の業務にグーグルのスプレッドシートを活用したいとの提案があった。従来は4~5名がバラバラに受注し一枚の受注表に書き込み、その明細から一人の配車係がエクセルシートに入力し直し、30名弱のドライバー用に配車表を作成していた。それを複数名が受注段階から、クラウド上の一枚のスプレッドシートに直接入力してみてはとの提案だった。目的は配車係の作業軽減と、複数名で入力による作業標準化だった。20年の歴史の中でちょっとづつ改善して最適化してきた業務フローだけに、私自身はそう簡単には変更できるものかと横から疑心暗鬼で見ていた。幸いに私の憶測は大きく外れ、社内での数回の打合せとスプレッドシートを次々とカスタマイズして10日位で軌道に乗せてしまった。複数名が直近の配車を共有できる効果は計り知れず、会社としての受注能力も大幅に改善された。
更に大きな副産物もついてきた。事務所内の変革に気が付いたドライバーから、そのスプレッドシートをドライバーにも開放して欲しいと言ってきた。従来は配車表が完成した後、初めて各ドライバーが各自の運行指示書をみて積込作業を開始していたが、配車途中のスプレッドシートを置き場に設置したモニターでリアルでドライバーが見る事により、積込作業を早い段階から見込で開始することが出来る様になった。
私は変化を恐れ現状維持に甘んじるタイプだが、今回の業務改善は固有のリーダーシップの寄るモノではなく多くの人が自然に関わり、皆の知恵やアイデアを持ち寄って早期に完成形へと導いていった。実は今回の変革は、結果オーライの様な偶然の出来事ではない。長距離混載の日常業務においてこの2年間はサービス向上の為、全国にパートナーを探し配送ルートを工夫し進化を継続してきた。2019年4月~2020年8月の間に、北海道便・北東北便(青森/岩手/秋田)・南東北便(福島/宮城/山形)、浦安第二倉庫の立上げ・そして関東地区の当日配達便のスタート等、目まぐるしチャレンジし改善してきた。この様なことも意図も簡単に成し遂げる社風が、いつの間にか出来上がっていたのかも知れない。