置き場に持込れた灯油ストーブ。運転手のS君が私物のストーブとポリタンを職場に持ってきてくれた。朝5時からの積込みも1月になり急に冷込み、手袋をしても指先がジンジンと痛くなる。屋外で暖房は無理と割り切っていたが、実際に灯油ストーブに手をかざすをやっぱり温かい。缶コーヒをストーブの上に置く人も。作業の合間に数名がストーブの周りに集まり、井戸端会議、いい景色だ。
S君は40年以上勤続する運転手で、無口だが黙って有り難い事をしてくれる。
有難うね、温かいよ。
12月22日のテレビ東京のワールドビジネスサテライトの全国放送に。
物流2024年問題のコメントを求められ古賀常務が物流業の現状を説明する。
私も映りたかったが終日外出しており残念。21日の夕方に取材要請があり、22日の日中取材そして23時に放映。8分間の特集の中4分位は弊社の映像が流れる。3名のインタビュ。悪いことでニュースに出るのは簡単だが、普通なことでニュースにでるのは結構難しいかも。6万社に選ばれた1社に。常務は総合トラックやメタル便のことを2024年問題に絡めてインタビューに答えたそうだがそこは見事に編集でカットされていた。さすがだね。
法律で定められた健康診断、35歳を境に法定の検査内容が異なる。運転手から「35歳以下の検査項目がショボすぎ」と聞いたのをきっかけに35歳以下でも35歳以上の検査をすることにした。
年齢を重ねると血圧やコレステロールや体脂肪もだんだん悪くなる中、検査判定もABからぽつぽつをCDEが登場し始める。DやEが出ても病気が確定している訳でなくマンネリ化してきて個人が勝手に問題ないと決めつける。ここに危険が潜んでいる。
高血圧が原因で、運転中に脳梗塞を発症したドライバーがいる。この時、会社に管理責任もあると痛感した。これを切っ掛けに現在、健康診断のE判定は総務が再検査の実施を厳しく追及する。仕事より優先で有給で病院の再検査を促がし、検査費用の上限15000円まで会社負担としている。このルールを採用してから4年経過したが、大腸のポリープの早期治療につながり奥さんから喜ばれたり、いくつも早期発見につながる事例がある。今年も全社員の中で2割の社員のE判定があった。日々の変わりない生活の中、怖い事や嫌な事から逃げる性質がある。バンジージャンプじゃないけど、背中を押す人は絶対に必要だ。そういう私も健康診断の時期になると家内から結果がまだ出ないかと毎年せかされ、通知簿を隠す小学生の心境になる時期だ。
事業所で発生する空き缶やペットボトルは、有料で資源ごみとして分別し浦安市に回収してもらう。ペットボトルと空き缶を潰すのは社長の私の仕事。この数週間ペットボトル回収ボックスの方に紙コップが数個混在している。夏の時期は冷たい麦茶を夕方用意して、帰社した運転手に紙コップを飲んでもらっているが、その紙コップだ。燃えるゴミボックスもあるが、ペットボトルの方が投かん型なので容易な為そこに入れている様だ。確定はできないが最近入社した運転手の中の一人だと想像される。投かん部分に「紙コップ入れないで」とメモを張り付けた。
多くの社員がいても事業所にはタバコ吸い殻の投げ捨ては一切ない。過去に同じメーカー吸い殻が度々見かけることも有ったが、いつの間に吸い殻の投げ捨ては無くなっている。細かいことだが、これが我が社の社風の良い部分だと思う。紙コップを無神経にペットボトル・ボックスに入れる人は、外では車内のごみを路上に捨てる可能性もある。一事が万事だと思うから。
普段より会社の洗車設備は個人の車にも使って良い事になっている。個人の車をピッカピカにすると、おのずと社有車もピッカピカにしたくなる。ピッカピカの車に事故は無しとも言われている。会社には洗車スペースに加え、ワックスや洗剤やメンテナンス工具も揃っている。不思議と洗車はお墓参りに似ていて、終わった後は清々しい気持ちにしてくれる。
土曜日の午前に会社で洗車して帰った。月曜日に出社すると洗車ホースが綺麗に巻き取られていた。土日は会社は休みなので、土曜午後か日曜日に誰かが出社して洗車したのだろう。私も毎回綺麗にホースを巻き取ろうとしたがこれがとっても難しく雑に巻き取る。会社はホースでは絶対の信頼があるトヨックスのコーランを使っていてホースの折れや曲がりがないが、頑丈なだけに綺麗にホースを巻き取るには一度すべて引っ張り出してから、力を入れて一回転ずつ丁寧に巻き取る必要がある。普段は何となく巻かれているが、この人は本当に綺麗に巻き取られていて相当に時間もかかったと思う。
でも後に使う人は間違いなく気持ちが良い。誰が綺麗に巻き取ってくれたか、探すのは止めにした。Aさんかな、Bさんかなと、誰かの善意を想像するのも楽しい。
総合トラックは、置き場に荷物を持込んでくれる荷主手配のトラックが多く、終日絶えない。混載貨物なので少量が多く、一台数分で降ろせる。いつも感心するのは持ち込まれたトラックを、昼時間でも当たり前の様に降ろしている。
営業でも配送でも一日を有効に使おうとすると昼時間がポイントとなる。休憩に使う時もあるが次の目的地に向かう為の移動に使えるとベストだ。大きな会社は受付時間はルール化され窓口に「午後1時から受付」が早々に掲示されたり、数名の小さな会社でも11時45分にトラックを構内に入れても、荷降し午後1時からと言われる。要は積降作業が12時00分を少しでも超える可能性のある場合は午後回しとなり、区切りが良いという理由で11時台から休憩に入る。働く者にとって昼の1時間休憩は当然の権利あり正しい。
総合トラックは運送会社で置き場作業者でも運転経験者なので、置き場に出入りする車両に自車や協力会社や荷主の区別はなく「仲間」だと思っている。作業員がいない場合でも、休憩中の運転手が気持ち良く降している。トラックの待ち時間は他人事でなく自分事の様に感じてくれている。経営者として強要したことは一切ないが、そんなことを当たり前にしているスタッフを誇らしく思う。でも他のトラックの入出庫を妨げる様な停止をした場合は、結構厳しい言葉で注意している。積降も到着順でおこなわれるが、順番を変える場合は運転手に明確に理由を伝えている様だ。よっと待ってもらった運転手には、自販機で缶コーヒを渡す光景を現場でみる時もある。
先日「物流2024年問題について見解をいただきたい」と新聞社の方から要望いただき、お客様からの見解を教えてと言われる様になったので色々と調べてみた。調べる手順はだいたいお決まりで図書館からスタートする。
①図書館にいって関連の雑誌や新聞の回覧→収穫はほぼゼロ
②国土交通省とトラック協会のネット上の資料を入手
③ネットで関連の情報を回覧
④物流関連で信頼できる知り合いに聞きまくる。
①②③はマクロの情報、④はミクロの情報、これから絡めて独自の仮説や見解を展開させる。
一番に気づいた事は、ネットでこの問題を取り上げているのは、2024年問題を商売のチャンスと捉えている物流業界に関わっているコンサルタント・社労士・システム会社・M&A関連・商社などいわゆる部外者で、直接的に影響を受けるであろう荷主や物流会社の発信はかなり少ない。
2024年問題の大きな流れは、労働時間の短縮→ドライバー不足と賃金アップ→荷主への運賃値上げ交渉だが、物流コストの上昇を荷主への運賃転嫁で済むというシナリオだが、調べれば調べるほど物流業の構造改革が大きく進み、業界に激震が走る気がする。
入社初日に運転手に必ず伝えることがある。
45年前、家業の鋼材屋に入った私に、重大事故に接してきた父から安全についてとうとうと聞かされたこと。
①「鋼材を吊り上げたワイヤーは何時か必ず切れる」
ワイヤーは切れるまで使いつくすので、ワイヤーが切れないと思うなと。
たまにクレーンで吊り上げた商品の下をくぐる人がいるが絶対にやるなと
②トラック荷台で積みこむ時、自分の逃げ場を確保すること
ホイスト操作を間違えたり、クレーンが流れると、
事前に逃げ場を確保してないとトラックのアオリと商品に挟まれギロチンになる。
この二点は絶対に守れと言われた。
安全帽にこだわった父は、現場での着用にとても厳しかった。
ある時、ヘルメット着用のタイミングで運転手と議論になった。
父が出した結論は、就業時間中はヘルメットは終始かぶれという事だった。
運転中もヘルメット、事務所の中でもヘルメット、入社したがばかりの私は、職場以外で社員とすれ違っても誰か分からなかった。なぜならヘルメットの脱いだ顔を見た事が無かったから。社員旅行の時、社員の素顔は新鮮だった。そんなに安全に拘った父だが、私の兄は入社数年目に現場で大けがをして2年間入院、40年経た現在もその時の後遺症で足を引きずっている。
運送部門を独立させて、総合トラックを作りドライバーを移籍した時から、運転中のヘルメット着用のルールは撤廃した。
そんな環境に育ったので私なりに新人運転手に、①と②加えていくつか伝える。
③商品が崩れそうになったら、絶対に荷崩れを防ごうとするな。
手で持てないからクレーンやホークで荷物を動かしいる。クレーに吊られた商品は、手を上から添えるだけ。物損しても「事故」で終わるが、物損を防止しようとしてケガをしたら「事件」になると。鋼材は高額商品も少なく、ほとんどが代替えがきくので、物損を恐れるなと。
④ヘルメット/皮手/安全靴は、絶対に命や体も守る。
ヘルメットのあご紐を止めていなかった為、炎天下に荷台から転倒し頭部と強打し命を落とした社員がいる。葬式に参列した時のくやしさは忘れない。ヘルメットの僅か数センチつばがどれほど目を守ってくれるか。皮手はただ分厚いだけでなく、いざとなったらゴム手と異なり手がすっと抜ける。現場で私の不注意からホークリフトに足を踏まれたがある。安全靴の先の鉄板がつぶれ足が抜けなかったが、指は骨折しないで済んだ。
家内にも運転中に伝える。トラックに高く積まれた商品も、走行中に崩れることがある。平ボディが前に走っていたら車間を取れ、平ボディやトレーラーを追い抜く時は息を止め細心の注意を払って一機に。高く積まれた商品を押さえているのはたった一本のラッシングベルトやワイヤー、いつ切れるかわからない。前を走っている運転手は新人かもしれない。運転手に荷締めの国家資格もない。交差点を右折する際、鉄板を路上にバラまいた協力会社の運転手、事故後、運転手に事情を聴くと「近い距離なので荷締をしなかった。カーブを曲がる時、わだちにハマってバランスを崩した」と、あきれてしまった。浦安鉄鋼団地近辺で、荷締めをしないで入っている青ナンバートラックを見かけ該当の運送会社に通報したが、配車係の対応は「それが何が悪い」と言った応対だった。だから営業トラックだから安心安全は、絶対にないと。
素人が管理する花壇、花が無くなるとホームセンターから数点花を買ってきて植える。家庭で育った花を持ってきてくれるケースもあり、地植えなのでそれなりに育ってくれる。私の担当として、雑草取り、咲き終わった花の茎を取ること、そして土のふかふかに保つ為堆肥を加えたりしてそれらしい管理をしている。本格的なガーデニングの知識はないので無計画、ツバキもパンジーも枯れた後、百合のお蔭でこの数週間は花壇が華やいでいる。出勤や退社で会社を前を通り過ぎる人が、足を止めて花を撮影している姿を見るとなぜか嬉しい。
実は会社には花以上に人気の被写体がある、わが社に住み家としている猫ちゃんで、猫好きの人には人気がある。