年始の挨拶を終え会社に帰ると、年賀に来られたと思われる車がすれ違いに会社から出てきた。事務所に戻り誰が来られたの聞くと、D社との答えがもどってきた。それを聞いた瞬間にスタッフに対し腹立たしくなった。折角お客様が会社まで挨拶に来られているのに、なぜ1分でも2分でも時間を使って玄関の外に出てお見送りをしないのかと。
社会人になって父と共に仕事をしていた時、お客様が来られると必ず玄関の外で車が去るまで見送っていた。ある時父が見送を終え振り向くと、玄関の中で見送る私の姿を発見して「お前は何様だ、目下はもっと前に出ろ」と強烈に叱られた。大きな体の父が邪魔になって玄関の外に出れずに、一歩下がっていたつもりなのに問答無用であった。その時の父の一言が、30年以上経過した今でも鮮明に思い出す。
昨年京都駅前にある松下資料館(松下幸之助時代の本社)を訪れた際、一階の玄関口で川越元館長から「松下さんはこの玄関からお客様の姿が見えなくなるまで、毎回お見送りをされていた」と教えてもらった。資料館は京都駅の線路沿いにあり、駅まではるかかなたで直線で350m位はある。約5分間は外に立っていとことになる。