長尺物の混載ては、配送先の情報は現場の運転手の中になる。
インターネットのクラウドと似ている。
配送先の必要な情報、何時から荷下ろし可能か、降し先はクレーンかフォークか。
降し先でトラックの積位置も異なる。前に積むのか、右に積むのか左側に積むのか。そんな情報が積込みの約2時間の中で、運転手同士でどこからとなく共有され情報交換されていく。14年目の蓄積ではあるが、情報共有においては新人とベテランとの差もない。一ドライバーにとっては、約三割の届け先は初めて配送する所なので。日々更新されていく。
浜松湖西市にある入出運送の鈴木社長とは親しくさせてもらっている。
5月の連休に会社に打合せにいくと、一部の幹部社員は休みの落ち着いた中で仕事をしにきていた。我々が食堂で打合せしていると、作業着姿の年配のご夫婦が表れた。麦藁帽をかぶり近所の農家の方と思いきや、よく見ると鈴木社長のご両親である。休みの時に会社の周りの草むしりに来られていた。200名近い社員規模と大きな倉庫やその敷地、夫婦二人できれいにできる範囲ではないと思うのだがやはり雑草が気になるのである。休みあけに社員が出社しても、雑草がきれいに処理されたことはたぶん気付かないかもしれない。私はこんなことが家族経営の良さだと思う。
家族が生計の為に仕事をするのが家族経営、でもオーナーやオーナー家族は勿論、そこで働く社員も第二の我が家の様に会社が落ちつく場であっったら、家族的経営が存在していると思う。当社にも休みにきている社員が数名いる。会社にいついている猫が気になったり、会社の花壇の水やりが気になったり、ゆっくり洗車する為にきたり目的はマチマチ。誰もいない会社には何か魅力があり、帰り際には墓参りの後の様な爽快感さえ感じる。