新しい仕事を始める時は勇気がいるが、一方で将来の可能性にワクワクもする。だが現実問題として、その仕事や商売を継続することは始める時よりはるかに難しい。知人から聞いた話だが、個人が飲食店を開いて数ヶ月も経たないうちに閉店する人がいるそうだ。開店させることが目的で、店を持った瞬間に目的達成したことになるから。アマチュアがプロの世界に入って、そのレベルの差に直面して、工夫や努力をすることなく終えていく。それも金銭面を考えたら正解だと思う。店を開くより維持する方が感覚だと3~5倍は資金が必要になってくるからである。そしてその消えていくお金の大部分が人件費である。
逆説的になるが、継続より更に難しいの撤退である。撤退は面子もつぶれ、雇用問題もあり、多くの撤退資金が必要になるから先延ばしする。私もその一人で、多くの人がここで撤退の時期を見誤る。商売上手な人は、撤退の見極めが早い。店舗数が多い会社だと、出店に対し撤退する確立を把握して、出店ミスがあることを前提にしている。同じ仕組みのチェーン店でも、駄目な店は駄目なのである。経験値もない新しい分野の仕事なら、失敗の確立はより高まる。
今年の5月に23年続けた埼玉事業所を閉鎖し、その閉鎖に当たっては長年ご利用いただいたお客様にもだいぶご迷惑をおかけした。振り返って見ると撤退の判断は遅かった深く反省する。
トラックヤードのフェンス際に乗用車を並べると、植栽が伸びて樹液が車に付くようになってきた。8月13日は出勤日だが、お客様は休みが多いの、で朝7時から6名で伐採する。2メーター近く伸びた植栽を思い切って1メーター位に。新里さんが事前にクリーンセンターに問い合わせて、伐採した樹をトラックに積んでそのまま受け取ってもらえることを確認していた。全員がノコギリを持ち、次から次に切った樹をトラックに積み込んでいく。ごみ袋に入れる手間がないので作業が順調で約2時間で終わった。4t車2台と2t車1台の樹をクリーンセンターに。
気が付いたら、フェンスの向かいの興和運輸さんも大勢で手伝ってくれていた。長袖で虫除けスプレーを使用したが、それでも夜は体中が小虫に刺されて痒かった。
「商売人は人前で話すな」は先輩経営者からの教訓である。社長が人前で能書きを話す様になったら数年後にはその会社が無くなっていると言う多くの事例からである。
が、また掟破りをしてしまった。名古屋で開かれた物流会社を対象にした物流セミナーで、お題は「パートナービジネス」の90分の講演である。
でも言い訳がましいが、人前で話すとなると周到に講演の事前準備をする。聞いていただいた方には申し訳ないが、この切羽詰った準備の為の時間が、私にとっては一番の財産である。
今年の夏に20歳の長男が教習所に通う。
学生で時間が自由になる夏休みに経験を積むと言う理由で、昨年は運転免許取得かアルバイトの二択を迫った。彼はお金になるコンビニのアルバイトを選択し、12月まで週二回夜働いていた。今年の夏は運転免許になった。若者の車離れが言われているが、息子も例外でなく運転にはまったく興味がない様だ。
我が家では運転免許を取った時、父親による最終路上試験がルール付けられていた。兄も姉もその路上試験を受けたが、姉はその試験をなかなかクリアーできずに、何度も父の厳しい指導を受けた。試験に合格すると、最終トレーニングだ。一つは走行中にサイドブレーキで停止させることと、力の限りでフットブレーキを踏むこと。特に急ブレーキは何度も駄目だしが出た、教習所では柔らかくブレーキを踏む事を教わってきたので強く踏み込めない。父親には、運転は家庭教育の一環であると言う明確なポリシーが有った。又、尋常でない場面に遭遇した時の対処方法を体で覚えさせるという事だ。自転車と同様に一度体が覚えると、何十年経過しても体は覚えていると言うのが父の持論だ。私自身その急ブレーキのトレーニングのお陰で実際に何度か救われたことがある。
息子が免許を取得したら、同様のトレーニングをするつもりだ。これで親子三代によって引き継がれる。
上海で経験したことだ街中の運転がかなり荒い、彼らの多くが運転第一世代だと思う。
ドライバー不足は数年後には確実に深刻になる。少子高齢化や若者の車離れに加え、現在の運送会社の現役ドライバーの高齢化で、これから10年で大量のドライバーが退社していくから。
路線バスや運送会社の入り口など、運転手募集の広告も目に留まることが多くなってきた。総合トラックには22名のドライバーが在籍している。10年前はボトムで5名のドライバーだったが、小口混載の仕事をする様になって、毎年2名ペースで運転手を増やしている。
平均年齢が気になって調べてみたら44歳であった。20歳~65歳が働ける期間とすると丁度中間地点が42歳なので、ほぼ平均的である。調べてみて嬉しかったのは、年齢がきれいにバラケテいることである。写真の右列は年齢で、水色の枠の数字は入社序列である。
長尺物の混載ては、配送先の情報は現場の運転手の中になる。
インターネットのクラウドと似ている。
配送先の必要な情報、何時から荷下ろし可能か、降し先はクレーンかフォークか。
降し先でトラックの積位置も異なる。前に積むのか、右に積むのか左側に積むのか。そんな情報が積込みの約2時間の中で、運転手同士でどこからとなく共有され情報交換されていく。14年目の蓄積ではあるが、情報共有においては新人とベテランとの差もない。一ドライバーにとっては、約三割の届け先は初めて配送する所なので。日々更新されていく。
浜松湖西市にある入出運送の鈴木社長とは親しくさせてもらっている。
5月の連休に会社に打合せにいくと、一部の幹部社員は休みの落ち着いた中で仕事をしにきていた。我々が食堂で打合せしていると、作業着姿の年配のご夫婦が表れた。麦藁帽をかぶり近所の農家の方と思いきや、よく見ると鈴木社長のご両親である。休みの時に会社の周りの草むしりに来られていた。200名近い社員規模と大きな倉庫やその敷地、夫婦二人できれいにできる範囲ではないと思うのだがやはり雑草が気になるのである。休みあけに社員が出社しても、雑草がきれいに処理されたことはたぶん気付かないかもしれない。私はこんなことが家族経営の良さだと思う。
家族が生計の為に仕事をするのが家族経営、でもオーナーやオーナー家族は勿論、そこで働く社員も第二の我が家の様に会社が落ちつく場であっったら、家族的経営が存在していると思う。当社にも休みにきている社員が数名いる。会社にいついている猫が気になったり、会社の花壇の水やりが気になったり、ゆっくり洗車する為にきたり目的はマチマチ。誰もいない会社には何か魅力があり、帰り際には墓参りの後の様な爽快感さえ感じる。
配車係りの川端君がパソコンをみて一人でニタニタと喜んでいるので理由を聞いたら
お客様から以下の様なメールを、年末の挨拶でもらっていた。
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いつも お世話になります。
今年一 年大変お世話になりました。
数々の ピンチを川端さんのおかげで乗り切る事ができました。
特に11月の〇〇向けの4t平車2台を手配して頂いたのはとても助かりました。
いま付き合っている運送会社さんの中でも御社の配車能力は一番です。
来年も 色々と無理をお願いするかと思いますがよろしくお願いいたします。
では川端様も良いお年をお迎えください。
12月の最終週に運送会社の経営者仲間(大阪・名古屋・浜松・東京)が福井に集合して一泊泊まり、2014年の抱負を語り合う。福井には我々が共通してお願いしているデザイナーの宗倉さんがいる。移動中の車内も仕事の話で盛り上がり話題が途切れない。私は2014年の抱負として、長尺物の積み合せの配送エリアの拡大と車輌台数の増加を掲げた。