25年歴史の中には、思い出したくない事も幾つかある。悪い出来事も企業としての歴史の1ページ。十数年前、朝の4時半頃配車係から自宅に電話があった。「社長、死亡事故が起きました、当社が加害者です。事故内容は一切分りません。亡くなった方の人数や年齢もわかりません、兎に角、社長警察に行ってください。私も行きます。」その電話の会話は今でも鮮明に記憶にある。駆けつけた葛南警察署は私の自宅から歩いて5分位のところ。警察に行き長椅子に座って待つように指示を受けるが、待つこと2時間状況は全く教えてもらえない。午前6時頃カウンターの奥で、佐倉在住の70歳台の男性が行方不明になっており照会の電話が。午前7時過ぎ警察に葬儀社の車。ここで始めて警察より状況を教えてもらう。佐倉市在住の痴呆の老人が先日の正午より自転車で外出したまま行方不明になっており、その方が浦安まできて、夜の2時半に357号を自転車で逆走し、雨の中、弊社のトラックと正面衝突し即死したという。ご遺族の自宅に謝罪にお伺いした際、同行した保険会社の事故処理担当の方から「死亡事故の経験は初めてですか?多くの運送会社の経営者は経験しなければならないことです。頑張って下さい」と言われた。遺族の家族から運転手へのねぎらいの言葉をいただいた時は、言葉が詰まった。