運転手にSTOPアイドリングの理解の助けに、ペットボトルを利用して、一時間に軽油の消費量(エアコン併用の場合)を表現してみた。青い色は、万年筆のインクで着色。実際に作ってみて、その多さに驚いた。軽油1Lが120円とすると、軽油ってウーロン茶やミネラル水の価格に近い。夏場の猛暑時は、待機時間のエアコンは必要不可欠、4t車で0.86×@120=100円で暑さを回避できると思うと安い気もする。不必要な時にアイドリングして、これだけの軽油を無駄にするのはもったいない。
東陽町から都バスの東22番の錦糸町駅前行に乗る。運転席の真後ろの席に陣取った。東22は乗降客が多い路線でバスも頻繁にでているが、雨の日だったため私の乗ったバスの先には、同じ路線の東22が目の前を走っている。次のバス停に到着した時いきなり雨の中、運転手さんがバスを降り前のバスに向かって走り出した。そしてバスにもどると車内の車椅子スペース確保用の座席を手際よくタタミだした。ここで状況がやっと理解できた。雨の日は傘の折りたたみ等で乗車時間がかかり前のバスが遅れ気味でそれと共に時間が遅れた分、乗車する人の列も増えバス停が混雑していた。そしてその列の後ろに車椅子の乗客と介護者と立っていた。バスの運転手のとっさ判断で、車椅子の乗客を後続バスの乗ってもらう旨を前のバスのドライバーに伝えにいったのである。そのドライバーの機敏な動作にえらく感動した。公共交通機関には、折々に使命感を感じる時がある。このドライバーは、毎日誇りをもっていい仕事をしているのだろう、運転者の後ろ姿が輝いて見えた。職業に貴賤はないと改めて実感した瞬間だった。
ドライバーの多くが、勤続を重ねると太ってくる傾向にある。私は学生時代に毎日部活で運動していた時の体重が67kg、社会人になって40年経過し71kgでプラス4kgをキープしている。体形の増減でスーツが着れなくなったことはない。当社では過度な積降作業は無いが、平ボディ車やウイング車でそれなりに体は動かす。今日は助手作業でM君運転の助手席に座る。M君も勤続と共に体重は増えてきている一人だ。助手席に座り、M君の食生活について質問。朝昼の食事の量はそんなに多くはなく、むしろ私の方が多食らいで、加えてM君は普段はお酒を飲まないし、飲料水も無糖。でも聞くうちに夕食後1時間位で眠りにつき、夕食と就寝の間の2時間が確保できてないことが判明。
運転手は朝が早い、モデルケースで逆算すると、夕食後の2時間+睡眠7時間+起床から出社まで1時間、出勤の10時間前には夕食を終えていないといけない。朝6時に出社なら午後8時には夕食終了。でもダブルワークだったり、子供の帰宅を待っての食卓だと午後7時台の食事は難しい。ドライバーの体調管理で大切なのは毎日決まった時間で起床すること、今日は朝6時明日は朝4時起床では生活リズムが不安定になるので、多くのドライバーは早い時間に標準を合わせ起床して体調を管理する。肥満と腰痛に悩むS君は朝7時の出庫であっても毎朝4時に出社する。夕食後就寝まで2時間確保を考えると、前日の午後6時には夕食を終えてないといけないが、それは無理で食後にすぐ寝ていることは容易に想像できる。(梶)
昨年12月業務職と今年7月経理職と、二度の女子社員の面接を行った。
右は掲載の時使った職場風景の写真で、最初撮られることを拒んだいつの間にかほほ笑んでくれていた。この写真が良かった様で結構の応募をいただいた。
まずは履歴書を見て質問。いくつかの職歴を見ながら「なぜ辞めたの?」と聞くのが私にとって苦痛な時間。質問は早々に切り上げ、会社を説明することに時間をかける。それで相手のこと解るのと思うだろうが、聞く人の目の輝きをみている。12月の面接で採用した新人に社員が「君何で採用されたの」と聞いたら本人曰く「解らない、面接の時は社長ばかりしゃべっていたけど」と言っていたそうだ。
話す内容は、パートと正社員の仕事上格差は無いこと、パートだから簡単な仕事、正社員だから難し仕事なんてことは無い。その人が会社で能力を発揮して輝いてくれれば良いこと。大企業は会社の都合を優先するが、中小企業なので個人の都合はある程度は調整できること。その例として故吉川千石さんの話は定番。京大→住友化学→関連会社役員→孫会社社長を経て72歳で当社の募集に来られた。面接の時「お社長の指示なら靴磨きでもいたします」と言い切った。それから15年間、週2回のペースで出社し働いてくれた。最高の人柄で吉川さんと仕事するのが楽しかった。吉川さんにとって初めて挑戦するコンピューターだったが、システム、パソコンの組立て、通信と次から次とチャレンジし我が社の立派なOA選任になった。吉川さんの書斎はパソコンだらけになり異様な熱気があると言われていた。週2日の出社は週5日自宅でチャレンジしたことのアウトプットの日だった。こんな楽しい思い出を求人者に話すのである。
毎日感心しているのが商品の配送ミスが少ないこと。我々が取り組んでいる長尺や異形状貨物の混載は、集荷する運転者と配送する運転者とは毎回異なる。集荷した貨物は一度置き場に降し、夕方から翌朝にかけ方面別トラックに一台一台積み込んでいく。置き場に並べられた商品には何処から積んできたのか、何処に届けるかの情報が一切ない。商品にはバーコードもなければ伝票が貼り付けられている訳でもない。それと付属部品がセットになることもある。例えばH型鋼にダンボールに入ったボルトとか。置き場の限られたスペースの、形状別に並べるので、付属品が必ずしも対象商品の真横に置かれているわけでもない。専門の積込責任者はいるが、夕方のピーク時になると、積降作業はドライバーが主役になり複数の積込作業が同時進行でおこなわれる。混沌とした現場で積み忘れやテレコがあっても当然だと思うが思いのほど出荷ミスは少ない。その現場のチームワークは見事である、ぴりぴりした現場か言うとそうでもなく、現場での笑い声も絶えない。
NHKの大ファンで、連続朝ドラ、大河ドラマ、世界ふれあい街歩き、世界で一番美しい瞬間、美の壺、コズミックフロント、白熱教室などは大好きな番組で、それ以外にもドキュメンタリーモノもツボにはまる時が多い。毎回
ドキュメンタリーは見きれてないが、年末年始の2週間はNHKの番組表を丹念にみて興味をそそる物は録画する。2018年は目玉は、なんといっても「人体」シリーズである。巨大ネットワークのサブタイトルが特に良かった。インターネットの利用が当たり前になり、携帯電話がより身近になり、ネットワークが身近の存在になった今、「ネットワーク」という表現は腑に落ちるものがある。
我々は長尺物・異形物を運ぶために前項の平ボディを混載で運べる会社とネットワークを構築した。電話・ファックス・メール等で無限大に情報が毎日飛び交っており、各拠点から運ばれてくる貨物を通しても情報交換している。
経営アドバイサーの高島陽先生は約束について、生前こんな事例の話をされてた。ニューヨークに商談にいくとする。上司から「もし時間が有ったら家内が欲しがるティファーを買ってきてくれないか。勿論仕事が最優先で、時間が余ったらの話だが」と言いにくそうに依頼される。ニューヨークでの部下は、現地で一生懸命仕事して商談を上手にまとめる。上司に喜んでもらおうと帰国し仕事の成果を伝え、一方で時間がなくてティファニーはいけなかったと報告したとする。結果として上司から彼の出張の評価は0点だと。お願いしづらい頼まれた事こそ最優先に動けと教えてくれ、これが世の中だと。実際に高島先生に、私の私的なことで先生の人脈を紹介して欲しいとお願いした時、その日にすごい勢いで動いてくれた。むしろなぜ早く相談の来なかったのと注意を受けた。
鍵山秀三郎さんも上級者。イエローハット本社での掃除研修に参加し、研修後鍵山さんと質疑の時間を取ってもらった。その折森信三さんについて質問したら丁重に答えていただいた。その一週間後に、初対面だった私に森信三さんの本が郵送されてきた。私が質問した時本を送ろうと決めたのだけどはその場では言わなかったのだ。その時少女パレアナの小説を勧められた、人を喜ばすことは躊躇しないで行動、まさに鍵山さんは私に対して実践してくれた。相手に伝えない約束だってある。約束の実行は相手への敬意の表れ、だから重要か些細か、大きいか小さいかの差は無いと思う。
私が小さかった時、母が父に「口軽くすぐ約束して結局実行しないんだから」と文句を言っていた。特に、意気投合した人には夫婦での旅行に誘うのである、そんな事象を母が責めていた様だ。でも両親が亡くなり両親の写真を整理していたら、次々と色々な人との夫婦単位の旅行の写真が出てきた。同じ人とはほとんどなく、大きな車が好きな父親がプレジデントを運転し温泉にお誘いした時の記念写真だ。案外父は有言実行だったかもしれない。
私はと言うと、会社での口からでた約束事の実行率は55%位。忘れてしまうのもあるが、後で客観的に考えたらやらない方が良いのでと思ったりして。いづれにしても低い。
その場の勢いで言葉を発して、結果的に約束したことになるケースが良くある。
「飲みに行きましょう」「私それ使ってないので、さしあげますよ」「私の方で調べておきます」「ぴったりの人知ってますので、紹介します」。思い付きで発した言葉で相手にとっては迷惑なときもあるが、相手に期待させる時もある。酔った席では約束を連発してまうが、ほとんどは忘れてしまう。
「今度飲みに行きましょう」といったら大抵は社交辞令で実行されない場合が多い。私の場合は、今後=実行しない、に等しい。
本気なら「今度飲みにいきませんか?」と相手に一回ボールを投げる。そして相手がまんざらでなければ、誰々を誘ってとか、銀座に良い店知ってますとか、いつ頃とか具体化していく。
学生時代面白い先生がいて「君らは頭は良くない、大きな会社に入社して高学歴の同期がいたら決して頭で戦おうと思うな。頭を深く下げて(=世渡り)人間力で勝負しろ。でも高学歴で且つ頭を深く下げる人が稀にいる。その時は負けを素直に認めて争うな逃げろ」と教えられた。このアドバイスは私の人生を大きく変えた。でも社会に出て40年過ぎた今なら、この教授の話をより具体化して「でも小さな約束は守れ、それが信用となっていく」と付け加えたい。小さな約束を守れる人は実際はほんの少数で、皆小さな約束をホゴにして毎日を過ごしている。でも私の知りうる限り実際に大きな事を成し遂げた人ほど、どんな些細なことでも約束はきっちり守ってくる。
左の写真は社員から言付かった用事を、忘れない様に手の甲に書き込む。これも私のとっては大切な約束こと。
上の写真は運送に特化したヤマネット実践研修、そのアドバイサーのメンバー、年に一度全国から集まり懇親を深める。全員が実践研修の受講者で、受講中からエネルギーがあり考え方が前向きで目立つタイプだ。経営者や管理職など役職はまちまち、転職してたメンバーも数人いる。ヤマネットを主催する山田さんは人間力がありその彼にひかれたメンバーでもある。
下の2枚の写真はメタル便グループの幹部で、仕事を通じての仲間だ。それこそ北海道から九州まで、全国から年に2回集まるが、毎回バカ騒ぎをする。でも仕事はキレキレなので皆がそれぞれに一目おいている。
本音で話し合える仲間がいるのは素晴らしいことだと思う。まして同じ物流の仕事をしているので、なおさら嬉しい。嬉しいというよりこんな環境で仕事ができることは幸せである。梶
大雪の翌々日、川島法律事務所に車両事故の処理の相談にいく。一ヵ月半前に反対車線から飛び出してきた乗用車と接触、事故直後に相手の運転者が逃亡、一ヵ月近い警察の調査の結果犯人を捕らえた。なんと覚せい剤を使用、今は警察署に拘留されている。その賠償方法についてだ。
相談を終え、川島先生からこんな話が出た。大雪翌日、アポイントがあり自宅を早朝に出た。出社しても自宅前の道路の雪かきが気になって、昼までに仕事を切り上げ、自宅にもどったが既に自宅前の雪は綺麗に取り去られていた。近所の誰が雪かきをしたか判らないので、お礼を伝えることもできず非常に困ったと言われていた。先生の雪かきの姿はイメージできないだけに印象的だった。
常識人の話で、話を聞いて心が温かくなった。川島先生には困った局面で過去に何度何度も相談し毎回適切は判断をもらってきた。先生の示す解決策には法律以前に先生の社会常識や正義感が感じられる。事務所を出た後、総合トラックも当たり前のことを当たり前にできる会社になりたいと強く思った。
会社の雪の日の当日はというと、電車と歩くこと40分かけて朝6時前に出社すると我が目を疑う景色が飛び込んできた。普段より早く出社したドライバー数名の手により雪かきを全て終えており、コンクリート面が湿った状態で輝いていた。その一人は協力会社のドライバーで、前日自宅に帰らず車内で寝泊まりし早朝から一生懸命雪かきをしてくれていた。