いつの取材だったわからないが
友人から 「日経MJに掲載されている」と連絡が入った。
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(物流インサイドリポート) 毅然と交渉、混載便の雄
「メタル便」は重量物や長尺モノなど既存の路線便(特積み)や大手運送会社が苦手とする異形貨物を対象にした混載輸送サービスだ。各地の地場運送会社9社が手を組み、荷台に屋根のない平ボディー車による全国ネットワークを構築して共同で運営している。当初は鉄鋼業者向けに2000年にスタートしたが、現在は取り扱いの約3割を食料品や雑貨などの一般貨物が占めている。
現場に到着しても荷待ち時間が30分を超えるようならトラックを引き上げさせる。荷下ろしはバースに接車後30分以内に済ませてもらうなど、従来の企業間輸送の商慣習に逆らう取引条件を設けている。
メタル便の車両は対象エリアを1日7~8カ所集配して回る。長時間待機や個別の荷主の都合に付き合っていたら、それ以降の運行 に支障を来してしまう。納品時間の指定も受けつけていない。
それでも売り上げは年率5%以上のペースで増え続けている。とりわけ2024年問題が本番を迎えた今年は「リーマン・ショック以来のチャンス」とメタル便グループの代表を務める総合トラックの梶大吉社長は期待する。実際、全国規模の大手荷主から物流体制の見直しについての相談が次々に舞い込んでいる。
2024年問題の荷主向けセミナーに梶社長が講師として招かれる機会も増えている。荷主には、即時に運賃を5%値上げして協力会社と年間契約を結ぶことを勧めている。既存ドライバーの定年延長による人手不足対策は既に限界を超えた。これから運送業の廃業や倒産が本格化する。しかし「中小零細はギリギリまで知らせてこない。1カ月前に通知があればまだいいほう」と梶社長。
協力会社の突然の撤退に慌てないためにまずは年間契約で当面の安定輸送を確保する。その間に荷主が自らトラックを購入して〝白ナンバー〟を取得する。定常的に発生する物流は内製化して、そこからあふれた波動分をメタル便をはじめとする混載サービスに回す。それが荷主にとって最も安全かつ得策との考えだ。
(月刊ロジスティクス・ビジネス編集発行人 大矢昌浩)