小宮コンサルタンツに会社の顧問になってもらい20年経過し毎月アドバイスをもらう一方で、小宮一慶さんの年6回の公開セミナーも並行して受講している。
小宮さんにコンサルになってもらい、最初のアドバイスは海外の物流に目を向けることだった。その指導もありアメリカの大学主催のロジスティックセミナーを受講したり、ドイツ/スウェーデン/シンガポールの物流企業も進められ見てきた。小さな会社の小さな常識を打ち破るには十分な刺激を40歳で感じることができた。
小宮さんの6月のCFOについて話した講演は印象的だった。(以下その要約)
・中小企業には本当のCFO(最高財務責任者/Chief Financial Officer)は存在してない。
・優秀なCFOは社会的にも不足しており、優秀なCFOに支払らわれる報酬は数千万円になる。
・高額の報酬を出しても優秀なCFOでないケースもあるが、低い報酬で優秀なCFOを雇用できることはありえない。
小宮一慶さんは多くの一流企業に深く関わり、各分野で一流の人と一緒に仕事をしてきている。小宮さんの「優秀な人」と表現する時は、私が感じる優秀とはケアが違う。でも小宮さんと親しくさせてもらっているご縁で、小宮さんの周りの「優秀な人」と何度かご一緒したこともあるが、エリートマンの雰囲気は一切なく、至って普通で気さくで腰が低いと言った印象だ。
CFOの必要性を強調されると、私自身経営者として30年以上経験してきた中で「確か」にと思う。CEO(=社長?)は人なつっこい人柄、COO(=営業部長?)は現場に精通したやり手、この様なツートップが引っ張る会社は一杯見てきたが、そこにキャッシュフロー管理/投資判断/経営計画策定/経営の数値的指針を出せるキレキレのCFOを片腕とする会社は本当にマレ。小宮さんの指摘する中小企業にいないとの指摘は的を得ている。ただCEOがCFOの能力を兼ね備えて人は何人か知っているが、その人達は一代で会社を上場させたり上場せずとも好業績を維持している。
当社には数千万円の報酬を出して優秀なCFOを雇い入れる力はない。でもCFOの力を兼ね備えた優秀な人を一社で独占することなく数社とシェアーすることはできる。物流業界にあって私が特に重視するのは経営の数値的指針で、この分析力をもった企業は積極的に挑戦して確実に成果をだしている。話は戻るが20年前にシンガポールシェンカーの、当時世界で最先端の倉庫を見学した時、物流センターのリーダーにCFO的な能力をもったドイツ人がいた。倉庫レイアウト、システム、運営まで一貫した数値で現場を把握し、全て一人で設計から運営まで任され2年間休むことなく働いていると言っていた。