半年前に映画「神々の見えざる手」を観た。銃規制の法律を通す為に、主役のロビーストが、法律犯し、仲間を裏切って勝利を手にするというサスペンスモノ。ラスト10分の法廷のシーンが圧巻で、印象深かったのが勝利の為に一線を超えた主役が「正しい行い」を自ら問うシーン。時を経たら不正行為も正しい行いと言えるケースもある、第二世界大戦リトアニアでユダヤ人6000人のビザを発行した杉原千畝は外交官としてはルール違反である。
コロナウイルス感染が拡大して複雑な状況で、今自分が何をすべきか考える時、先の映画の主役が訴えた「正しい行い」を思い出し、折々に自問自答している。
1)運転手のアルコールチェック機器の使用は義務付けられているが、感染リスクの伴うこの行為の継続はいかなるものか。所轄の運輸局に使用継続に対し「命の問題だ」と抗議したが、ルールなので継続しろと全く聞く耳を持たなかった。使用停止している運送会社もあると聞くが、当社では今日もアルコールチェックは実施している。
2)3月位から、マスク/消毒液/ハンドソープ/フェイスシールドなど徹底的に買い占めた。日本で売られているマスクの7割が中国製と聞いた瞬間から、ドラックストアーで絶対売られる訳がないと理解して、あらゆるコネクションをつかい高いマスクを買いまくった。命がけで第一線で働く医療従事者にもマスク/フェイスシールドが不足し、テレビでは不要な買い占めは控えて欲しいと自粛報道している真っ最中に。
3)飲食の店舗展開している経営者と数名、懇意にしている。壊滅的に売上を落とす中、何とか協力できないかと考え、それらの飲食店の通販商品を会社の経費で社員やお客様用に購入し配った。わが社が買う金額なんてどれほど役に立つのと思いつつ、一方で公私混同?
4)わが社は現時点ではコロナにより壊滅的な影響は受けてない。コロナ後は業績に戻ることが難しいと容易に想像できる業種もある、会社をタタムか大胆にかじ取る必要があり、傷か深くならない時期にと考えてしまう。対岸から見ている自分だが、実害が多い人に対し「もう少しだね」「お互い頑張ろう」などと差しさわり無いことを言ってしまう。
これから2年位は「何が正しい行いなの」と問い続けるだろうが、これが正解と言い切れる様な答えも得られないと思う。