顧客一社の売上が全体の50%を超えると、会社は実質的にその顧客に支配される。当社の40年の歴史の中でそんな時期が10年位あった。その頃は毎週ナンバー1の顧客に表敬訪問した。顧客から呼び出しを受けただでけでも最悪の事態を空想してしまう。仕事が増えるのは有り難いが、ボリュームが増えた分、顧客の中で事故やトラブルも目立ってくる。物損やトラブルが大ごとにならない様、仕事以外の付き合いも大切になってくる。価格交渉も相当神経を使い、仕事が全く無くなることを想定するとギリギリの交渉はできない。褒められること感謝されることはまずない。現在はナンバー1の顧客でも8%以下なので、特定の顧客にビクビクすることは無い。
コンビニの記事をみて思う。今の時代、スタッフの確保は深刻な問題だ。家族経営でコンビニをしていると、人件費が高騰するだけでなくオーナー家族が店頭に立つ時間も増えてくる。運送会社の場合はコストアップは顧客に直接交渉できるが、コンビニはそれができない。本部に経営を100%支配され、契約に縛られ交渉もままならない。私は、幹線道路に面していたり深夜も人通りの絶えないビジネス街や駅近くの立地以外は、原則夜間営業は止めるべきだと思う。これから更に少子化・労働者不足が深刻になる時代の正しい変化だ。朝の早いドライバーは、コンビニで朝食と昼食や飲料を買って出勤する。一端仕事にでると、コンビニがあってもトラックが駐車する場がないから。コンビニの利用者で、どうしても深夜の時間帯でなければいけない理由は無いと思う。欧州にはコンビニが全くない、夜の10時過ぎると水ですら買う店がない。コンビニを作らない理由は個人経営の店を守るため。資本主義の原理より、人間生活の尊厳を優先している。