東陽町から都バスの東22番の錦糸町駅前行に乗る。運転席の真後ろの席に陣取った。東22は乗降客が多い路線でバスも頻繁にでているが、雨の日だったため私の乗ったバスの先には、同じ路線の東22が目の前を走っている。次のバス停に到着した時いきなり雨の中、運転手さんがバスを降り前のバスに向かって走り出した。そしてバスにもどると車内の車椅子スペース確保用の座席を手際よくタタミだした。ここで状況がやっと理解できた。雨の日は傘の折りたたみ等で乗車時間がかかり前のバスが遅れ気味でそれと共に時間が遅れた分、乗車する人の列も増えバス停が混雑していた。そしてその列の後ろに車椅子の乗客と介護者と立っていた。バスの運転手のとっさ判断で、車椅子の乗客を後続バスの乗ってもらう旨を前のバスのドライバーに伝えにいったのである。そのドライバーの機敏な動作にえらく感動した。公共交通機関には、折々に使命感を感じる時がある。このドライバーは、毎日誇りをもっていい仕事をしているのだろう、運転者の後ろ姿が輝いて見えた。職業に貴賤はないと改めて実感した瞬間だった。