その場の勢いで言葉を発して、結果的に約束したことになるケースが良くある。
「飲みに行きましょう」「私それ使ってないので、さしあげますよ」「私の方で調べておきます」「ぴったりの人知ってますので、紹介します」。思い付きで発した言葉で相手にとっては迷惑なときもあるが、相手に期待させる時もある。酔った席では約束を連発してまうが、ほとんどは忘れてしまう。
「今度飲みに行きましょう」といったら大抵は社交辞令で実行されない場合が多い。私の場合は、今後=実行しない、に等しい。
本気なら「今度飲みにいきませんか?」と相手に一回ボールを投げる。そして相手がまんざらでなければ、誰々を誘ってとか、銀座に良い店知ってますとか、いつ頃とか具体化していく。
学生時代面白い先生がいて「君らは頭は良くない、大きな会社に入社して高学歴の同期がいたら決して頭で戦おうと思うな。頭を深く下げて(=世渡り)人間力で勝負しろ。でも高学歴で且つ頭を深く下げる人が稀にいる。その時は負けを素直に認めて争うな逃げろ」と教えられた。このアドバイスは私の人生を大きく変えた。でも社会に出て40年過ぎた今なら、この教授の話をより具体化して「でも小さな約束は守れ、それが信用となっていく」と付け加えたい。小さな約束を守れる人は実際はほんの少数で、皆小さな約束をホゴにして毎日を過ごしている。でも私の知りうる限り実際に大きな事を成し遂げた人ほど、どんな些細なことでも約束はきっちり守ってくる。
左の写真は社員から言付かった用事を、忘れない様に手の甲に書き込む。これも私のとっては大切な約束こと。