30代前半のドライバーI君、何かの会話の時「運転中、眠くてしょうがない時がある」と言ってたことがある。私も昼食後などは運転中に強烈な睡魔がおそってくる時があり、気が付いたら分離帯車線に車輪がかかっていてヒヤッとした経験もある。I君は弊社に入社して結婚、複数の子供にも恵まれ、一生懸命働いてくれていた。長距離運行を主な業務としていた。その彼が当社の給料では生計が立たないので5年位前に退社することになった。退社後、運転者仲間から管理職を通じて聞いた話だが、当社在籍中に副業としてコンビニエンスでアルバイトしていたそうだ。そんな事実は全く知らなかったが、後で聞いてもし運転中に居眠り事故でも起こしたらと思うとゾットした。
佐川急便が完全週休3日制の就労モデルを打ち出した。副業を推奨する政府の方針も追い風となっている。でも私は労働集約型の運送業には副業はなじまないと思う。安全運転励行の為には、会社が管理できる環境下での十分な休息が必要不可欠である。労働時間短縮に先手を打ち、生計に必要な収入は他で確保してくてと言わんばかりの制度には首をかしげる。中間層が無くなり貧富の差が激しくなったと言われている今日、日本を代表する物流企業には労働者の生活を支えると言いうプライドをもってほしい。私の社員に対する最低限の保証というか願いは、共働きでも二人の子供を塾に通わせつつ高校を卒業させる年収である。運転者には平日の家族団らんの夕食はあきらめてもらっているが、週2日は家族サービスができる家庭、そんなのが最低限の理想である。