代々木駅、高校生の運動部の下級生と思われるまる坊主の二人が、次々と改札口を出てくる上級生に挨拶している。大きな試合か大会の当日の様だ。体育会系の気合いの入った下級生の挨拶に、通り過ぎる上級生の多くが言葉を返すことなく「無視」状態で過ぎ去っていく。無視が上級生としての威厳なのかもしれない。私も学生時代運動部に所属していたが、気合いの入った下級生の挨拶に対して2分1位のトーンで返事していたが無視はしていなかった。10分位駅前の光景を見て確信したことは、必死に挨拶している下級生も上級生になった時は今の上級生と同じ態度をとるということだ。一人の力ではなかなか慣習は変えられない。
偏見かもしれないが、港湾に出入りする大型トラックの運転手は挨拶が下手に思う。港湾は既得権ともいえる港湾労働者が荒っぽくその影響かもしれない。同様にお酒の配達や新聞を夜間配達する2tトラックの運転を多くの場面で荒く感じる。飲食街へのお酒納品を想像すると、人の気配のない時間帯に入り組んだ建物に重たい荷物を階段を使って運んでいく。「運転手さんご苦労さん」の声も少なそうだ。やってられないという気分になることもあるかも知れない。新聞関係の下半身は、新聞記事とは違って品がない。当社も数年間、巻取紙を配送したことがあるが、新聞社の荷下し作業員が運転手にモノを要求してくる。その下品さは新聞の強引な販売店員からも想像できる。
気の付く温かいドライバーを育成する事は運送会社の仕事だが、ドライバーという仕事にやりがいを持たせてくれるのはお客様や配送先で「運転手さん有り難う」の一言。大きな励みになる。届け先で缶コーヒーを毎回くれるところもある。会社の大小には関係なく、荷主や届け先で人として扱ってくれることが業界の品質を良くしていくと思う。