今年の夏以降、500km以上の長距離の状況が変わってきた。
東京⇔大阪間の長距離輸送を主業とする大阪の運送会社に最近監査が入り、運転手の労働時間超過が問題となった。従来なら月に10回~12回大阪東京間を行き来して、一定の売上を上げて生計を立てていた運転手だが、指導に従うとおのずと輸送回数を減り収入が激減する。会社も同様で売上が減ると採算が合わない長距離をするより、地場まわりの仕事をしていた方が収益が残るので敬遠されつつある。4月以降の高速料金の割引が変わり、高止まりの燃料、運転手不足、長距離輸送にとっては悪い要因だらけ。そこに新たに労働時間の超過問題が発生してきた。
先週、当社の社員が東北エリアの長距離輸送をおこなう運送会社を数社訪問してきたが、山形より先はトン1万円が相場になっているそうだ。従来の相場からかなりかけ離れた金額だが、どうしても納期通りに運ばなければならない荷主にとっては選択枝がなくなっている。海運や鉄道に比べて圧倒的にトラック輸送の比率が高い日本、今後は大きな問題となってきそうだ。素材や原料などもともと運賃負担力の少ない商品にとっては深刻である。