新しい仕事を始める時は勇気がいるが、一方で将来の可能性にワクワクもする。だが現実問題として、その仕事や商売を継続することは始める時よりはるかに難しい。知人から聞いた話だが、個人が飲食店を開いて数ヶ月も経たないうちに閉店する人がいるそうだ。開店させることが目的で、店を持った瞬間に目的達成したことになるから。アマチュアがプロの世界に入って、そのレベルの差に直面して、工夫や努力をすることなく終えていく。それも金銭面を考えたら正解だと思う。店を開くより維持する方が感覚だと3~5倍は資金が必要になってくるからである。そしてその消えていくお金の大部分が人件費である。
逆説的になるが、継続より更に難しいの撤退である。撤退は面子もつぶれ、雇用問題もあり、多くの撤退資金が必要になるから先延ばしする。私もその一人で、多くの人がここで撤退の時期を見誤る。商売上手な人は、撤退の見極めが早い。店舗数が多い会社だと、出店に対し撤退する確立を把握して、出店ミスがあることを前提にしている。同じ仕組みのチェーン店でも、駄目な店は駄目なのである。経験値もない新しい分野の仕事なら、失敗の確立はより高まる。
今年の5月に23年続けた埼玉事業所を閉鎖し、その閉鎖に当たっては長年ご利用いただいたお客様にもだいぶご迷惑をおかけした。振り返って見ると撤退の判断は遅かった深く反省する。