ボランティア活動で老人の家庭に入った時、感謝の気持ちからお礼に一万円を貰ったとする。この様なことが度々続くと、そこに行くことの目的が奉仕からお金を貰うことにいつの間にかすり替わる。職探しにハローワークに、そこで進められるのが職業訓練。その訓練を受講すると手当てがでる、いつの間ににか職探しから手当てをもらうことが目的になる。怖いことである。会社で過去に人材育成の助成金を数年間もらったことがある。その時も同様な事が起きた。社員の人材育成のカリキュラムが、いつの間にか助成金を効率的にもらうことが目的になり、人材教育が二の次になっていた。
2000年にお客様と鉄鋼物流の合理化の可能性に意気投合して、メタル便という会社を起こした。新規事業でリスクも大きい中、サービス提供に必死になってきた。継続する内にお客様が増えて仕事が順調に回り始めると、維持拡大や収益が目的にすり変る可能性もある。メタル便は「鋼材流通のプラットホーム」作りを目的として、共同配送によりコスト削減を具体化する仕組みだ。その目的に共感して多くの協力者があってここまで来れた。初心忘れるべからず。目的貫徹の難しさを痛感するこの頃だ。