元気な現在の中国も好きだが、優雅で可憐な中国も大好きだ。歴史のある国には、それなりの風情がある。特に中国は文化も我々に身近であるのでホッとする部分が多い。
数年前に、北京飯店の一階ロビーのカフェでチャイナのロングドレスを着たスタッフが給仕し、クラッシック音楽の生演奏、優雅で至福の一時。同飯店で食べた中華料理も手が込んでいるのに、薄味で上品な味がした。この時の印象が私の中にある中国感である。
今回の旅行でも、そんな可憐な中国をいくつか体験した。杭州、西湖に面したラマダホテルに2泊した。東方見聞録のマルコポーロも訪れたという歴史ある景勝地。湖の周りには、歴史的な建物や当時の面影がそのまま残っている。ベッドの枕もとには、杭州にちなんだ詩が栞になって置いてあり、その栞が毎日変わる。一枚の栞だが、歴史に思いを馳せる。
左の写真は、杭州茶館に入った時のもので、ウエイターが何とも言えずエレガントだった。可憐、でもその立ち振る舞いは洗練されている。こんな中国が大好きだ。
「上海は築地市場」と佐藤康子さんから教わった。市場の中に一歩足を踏みいれたら、そこは戦場。働く人が主役で、一般見学者に愛想をしている時間もゆとりもない。上海はお金を稼ぐところ、住むのは近隣の杭州や紹興。そこにはゆったりとした空間があるそうだ。