知り合いの経営者より、姻戚が運送業に携わって、その会社の先行きについて電話で相談を受けた。
・30歳前で頑張り屋。数名雇用し、営業ナンバーの2t車を数台動かしている。
・朝6時~夜8時まで運転し、帰宅後は帳簿付け。
・結婚しており、間もなく子供が生まれると言う。
・かつては特定荷主があったが、その仕事が不安定になってきている。
・1台当りの売上は、50万円位だとのこと。
ここまでの状況説明を受けて、梶君の意見はと聞かれた。
志のある青年が、運送業界で生計を立てていこうと頑張っている。
本来なら、明るい未来を確信して「頑張って欲しい」とエールを送るべきところ、私の意見は逆だった。
・運送業を経営して、今後この規模で一家の生計を立てて行くのは難しい。
・隣のコンビニが酒を扱うようになった商店規模の酒屋に等しく、中小の運送会社にとって営業ナンバーの価値はない、参入障壁が低すぎる。
・この規模で1台当りの売上げが50万円だとすると、実質経営者の手取りは25万円前後では。
・車両事故や売上減少のリスクを考えると、自営の意味があるのか? 運転が好きなら、大手運送会社に転職するのも検討したらどうか。
こんな意見を知ったかぶりして伝えたが、私自身、業界人として誠に情けない解答である。