「アメリカ発」「百年に一度」「世界同時」「不況(恐慌)」、逃げ道のない、厳しい表現である。この言葉が的確な表現とされる状態になる可能性もあるが、我が身にその影響が及んだ時には、この無責任な言葉が与えた影響の大きさを実感することだろう。 無責任なこの言葉がモンスターとなり、一瞬にして世界中を駆け巡った。
同様に、米証券大手のゴールドマン・サックスはアナリスト・レポートの中で、原油価格が今後半年から2年の間に、1バレル=150~200ドルに達する可能性があるとの見通しを示した。数ヶ月後にこのレポートは、多々の要因もあるが、ブーメランのごとく発言主に帰ってきてゴールドマン・サックスを直撃した。この言葉もモンスター化し、狂騒的に原油を高騰させ(現在は原油は沈静化したが)、数ヶ月後に世界中の自動車業界を直撃した。
輸出産業が稼ぎ頭となり外貨を稼いできた日本は、世界的な消費低迷、円高、直近でメーカーの在庫調整の影響は計り知れない。その厳しい現状は、人員削減の観点で騒いでいる報道ニュースよりも、直接携わる人の話を聞くと、想像をはるかに越える深刻なものがある。