北越物流様のご好意で、北越製紙市川工場生産ラインを見学させてもらう。
その中で環境への取り組みについて多くの時間を割いてもらう。製紙事業が今までの私の認識とは全く異なることを痛感する。
製紙事業には2つの工場がある。一つは植林でパルプの原料となる森作り、いわゆる自然の工場で、もう一つはパルプと古紙を混ぜて紙を作る工場だ。二つの工場を足すと、二酸化炭素排出レベルでは、ほぼ+-ゼロ。
日本の古紙の回収率はここ数年でトップのドイツに迫り70%、その内10%は輸出され、残り60%は国内でまた紙に再生される。
古紙→紙の循環は3~4回が可能で、それ以降は繊維質が細り紙にならない。だから25~30%はパルプを混ぜていかないと循環していかない。
紙の消費が毎年一定であると仮定すると、今の回収率で完全に循環できることになる。
ただ、世界レベルの平均ではまだそこまでは達していない。今後の古紙回収過程の改善すべき課題は、より細かく正確な古紙分別かもしれない。
成分の一定した古紙は、製紙工程において使い勝手が良く、その意味では新聞古紙は貴重な原料となる。また古紙に混入した場合とっても困るものとして、①アイロンプリントのインク(インクが抜き取り難く製品の表面に浮き上がってくる) ②カーボン紙(インクが同様に製品に着色するため) ③トレーシング紙(ガラスの繊維質であるため)。