25年位前に版画家の池田満寿夫さんの講演を聞いた。当時はすでに著名になっていたが、作品が額代以上の値で売れるまで何十年かかったと言われていた。日本人のアートに対する理解が低く、有名になった作品は売れるが、好きで美術品にお金を払う習慣は無いこと。企業単位になるもっと顕著で趣向でアート作品を会社に飾る風習は無い。唯一あるのが社屋を竣工した際に工事に関わったゼネコンが玄関ホールに飾る絵の贈呈。その絵画の価格は総工事費の何パーセントを決められており、クライアントの趣向ではなく適切な価格の絵が選ばれると、池田満寿夫さんは講演の中で話していた。
35年以来の友人が、家業である菓子メーカーのを退社して2000年からアーテイストになった。総合トラックのロゴマークや毎年の年賀状の写真のアートは、wataru(本名:小池渉)の作品である。2000年迄の20年間はマーケット活動に専念して、菓子の名前を言うと誰でも解る商品をゼロからいくつも開発してきた。アメリカの第一人者からマーケティングの指導を永年受け、研ぎ澄まされた感覚を磨くべく「マーケティングはアートだ」の師匠の一言がwataruの人生を大きく変えた。wataruの作品にはひらめきとエネルギーがある。総合トラックは、彼にマーケティングのアドバイスをもらいながら、彼のアートを自然に受け入れ会社に浸透させている。