2011年春に内容証明が届いた。在籍しているドライバーA君からで、過去2年間で残業未払いが100万円あり即刻支払えという内容だった。A君は歩合制と残業を併用している給料体系で、まさかと思い過去2年間のタイムカードと売上と賃金台帳を付け合せたら確かに会社に否があり24万円の未払いが判明した。その主旨を伝えると、A君は不服として労働基準監督署に駆け込んだ。争点は休憩時間になった。結局A君は労働基準監督暑の認めた金額にも納得せず「あっせん」、でも歩み寄れず裁判になった。双方に社会労務士や弁護士がつき相当額の費用も発生した。一年以上かけ判決を得ることなく和解で幕を閉じた。
振り返ると経験したことがない「あっせん」や裁判に、運転手の生活を守る為にしてきたビジネスでまさかの訴訟、気の重い一年間だった。幸いしたのは給料体系や就業規則を全て見直しができたこと。でも就業規則の条項は以前の倍以上になった。その間、心のよりどころとなったのは「働く人の汗に報いる」という経営理念の一項目だった。
会社を信用して一生懸命に働いてくれる運転手に公平に報いたい、安心して働ける職場を作りたいとの想いを深くした出来事だった。