国土交通省の「貨物鉄道輸送の将来ビジョンに関する懇談会」の報告書によると、2015年ドラックドライバーが14万人不足すると記されている。「物流2015年危機」とも言われるらしい。報告書では少子高齢化が原因とされているが、トラックドライバー不足の背景や要因を考えてみた。
若者の車離れは深刻だ。昔?は、車を持つこと運転することに魅力を感じた。最近どのメーカーも燃費を重視する一方で、デザインが似通っており人を運ぶ道具にしか見えない。買いたいと思わせる車が少なくなってきた気がする。残念ながらマイカーを持たないと運転の楽しさは実感できない。私が学生の時父親から車を借りてぶつけたことがある、父親に謝罪しながら自分の車でないことに悔しさを感じた。レンタカーや業務車だと輸送手段に過ぎず、運転の楽しさが伝わらない。我が社のドライバーをみても、やはり運転することが好きである。一方でいざ車を買おうするとやはり高額で、車を購入しようとする前にスマートホンやタブレット端末を通じてお金が出ていく。
運送業界の就労者を増やす為には、カッコよさが必要だという経営者も多い。職場の清潔さや制服やトラックデザインも大切かもしれない。カッコよさも大切だが、収入はより重要だ。今の50~60代のドライバーはかつては月給が40万円を越えていたが現在では30万円を下回るケースもでてきている。50才を過ぎてから給料が減っても、いまさら転職はできない。この実態を知った時、若者は将来に向けて不安を感じる。介護業界は成長産業で社会性もあり有意義だが、若夫婦が二人とも介護業界では生活は苦しい。同様に「モノを届ける」運送に大きな意義があっても、未来の安定した生活が見えてこないと魅力は感じられない。